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錦繍

先日、子供達に付き添って図書館に行きました。

何の脈絡もなくふとある思い出が過って、
気がつくとある一冊の本を目指していました。

20141213191139f27.jpg

宮本輝の『錦繍』です。

実はこの本は兵庫の自宅に所蔵しているのですが、
出会いは十数年前、私が二十歳を迎えるかどうかの頃でした。
就職等々含めた人生相談?のような感じで叔父と話す機会があり、
実に色々な話をしたのを覚えていますが、
その中でも印象的だったのが、叔母との結婚を決めた理由でした。
勿論実際には色々な縁や理由もあっての事でしょうが、
叔父は「○○(叔母)が宮本輝の『錦繍』を良いと言ったから」と言いました。
叔父は宮本輝の本を愛読していましたが、
とりわけこの『錦繍』に深い感銘を受けていたので、
その『錦繍』の良さがわかると言った感性の子(叔母)となら
結婚したいと思ったという事でした。
それを聞いて、結婚の決め手となるほどの作品って
どないなもんやろと思って手にしたのです。

今回、何故かそんな事を思い出して、
十数年ぶりに再び手にとったのですが、
既に内容は知っているはずなのに、
こんな内容だったかなという新鮮さと共に
涙が止まりませんでした。


十数年前にとある事件をきっかけに別れてしまった若い夫婦が、
偶然の再会を機に書簡を通して再生する物語。

この先は少々ネタバレになりますが、、、
別れるきっかけとなった事件とは、
夫が不倫相手に無理心中で殺されかけるという、
極めて俗っぽいというか泥臭いもので、
男と女のどうしようもないそれぞれの性の心理も
実にリアルに描かれているのですが、
これが単なる恋愛小説ではなく
「過去とは、未来とは、今とは、
生きるとは、死ぬとは、
そして人生とは」
というテーマがドーーンと横たわっていて、
男女としてや夫婦としてではなく、
最終的には人と人としての再生が描かれているように感じるのです。


言わずと知れた中島みゆきの『糸』という名曲の、

縦の糸はあなた
横の糸はわたし
織り成す布は
いつか誰かをあたためうるかもしれない

という歌詞にもあるように、
自分も含めて、人って拙く愚かでもありますが、
男女に限らず、人と人が心を通わせて作られるものは、
まさに錦繍という美しい布なのではないでしょうか。

なるほど、十数年前の印象と違うのは、
二十歳の私には到底理解できなかったからだろうと思うと同時に、
きっと10年後はまたもっと違う何かが見えてきそうな作品でもあります。
主人公がそうであるように、
読者である私もまた、十数年の歳月を経て、
物事の受けとめ方が変わったという追体験をしているようです。

私事ですが、来年は人34周年・結婚10周年を迎えます。
このタイミングで、何かに誘われるように再び手にした『錦繍』、
これにも何か意味があるんだなと感じています。
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